一戸建て住宅でできるリフォーム、
できないリフォーム
戸建て住宅で自分の家だからどんなリフォームでもOKというわけではありません。
構造や建築基準法、地域の条例によって、リフォームの内容も変わってきます。
まずは部位別に確認しましょう。
戸建てリフォーム
部位別チェックポイント
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吹抜け
「吹抜けにして伸び伸びとした空間できる?」
木造住宅の場合は建物の構造強度に影響がなければ比較的容易にできます。
重量鉄骨造の場合、建物の鉄骨の梁を動かせないため困難です。
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小屋裏
「小屋裏を収納スペースにできる?」
天井と屋根の間の空間(小屋裏)は、通常天井板でふさがれています。
その空間を収納スペースとして活用できれば部屋もスッキリとしたものになります。
ただし容積率をオーバーしないよう注意は必要。
面積がその階の2分の1以下で、天井までの高さが1.4m未満であれば床面積に加算されないので、容積率を気にせずリフォームすることができます。
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窓
「窓の数を増やしたり、移動したりできる?」
建物を支える耐力壁に新たな窓を設けることは難しいです。
開口部を新設しても建物強度に影響のない外壁であれば窓を増やしたり、移動したりできます。
また断熱性の高いものに替えたい場合、壁工事不要のカバー工法で、窓をスピード交換できるものあります。
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断熱
「断熱工事だけのリフォームできる?」
一戸建て住宅に内窓や断熱性の高い玄関ドアなど、部分的な増設や交換のリフォームは単独でできます。
床や壁、天井、屋根など断熱性の高める工事は解体する面積が広く、内装の張り替えを含めたリフォームを一度にした方がコスト的に安くなります。
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増築
「敷地いっぱいに増築できる?」
住宅の規模は敷地ごとに決められた建ぺい率、容積率で制限されています。
例えば、100㎡の敷地で建ぺい率60%、容積率150%の場合、増築後の家は建築面積60㎡、延床面積は150㎡が上限です。新築時に上限いっぱいとしても建ぺい率や容積率が変更される場合があるので事前に確認が必要です。
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水まわり
「キッチンの移動、トイレの増設は可能?」
戸建ては水まわりの変更に制約が少ないのが特徴。キッチンの向きやタイプを変えたり、移動したり、2階にトイレや浴室を設けたりなど、かなり自由にリフォームができます。
ただし、敷地と建物の位置によって給排水管に勾配が付けにくいと大幅な移動が難しいこともあります。
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コンセント
「位置や高さ、それに個数を増せるの?」
コンセントの移動や増設は比較的自由にできます。内装のリフォーム前なら変更も比較的簡単にできます。
コンセントを増やし電化製品の利用が増えると、電力会社との契約容量を大きくする必要があり毎月の基本料金も上がるので、注意が必要です。
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バリアフリー
「床の段差解消、手すり設置できる?」
戸建ての場合、床を平らにし、バリアフリー化するのは容易にできます。
浴室もシステムバスにすることで段差のないバリアフリー化ができます。
階段やトイレなどの手すり設置は壁に補強が必要な場合が多いです。
使う人の身体の状況などを考えたリフォームが必要です。
また、支援制度や補助金があります。条件を満たしている方は、費用の負担が軽減されるため、よく確認することが大事です。
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間取り
「間取り変更は自由にできる?」
建物の構造、工法によって間取りの自由度は変わってきます。
- 木造軸組工法(在来工法)
柱と壁を取り払い複数の部屋をつなげたり、和室を洋室にしたりなど自由度が高いです。 - 2×4工法(枠組壁工法)
パネル状の床、壁、天井で建物全体を支える工法です。面で支える構造のため、窓やドアなどの開口部のリフォームは困難です。
建物の間仕切りも抜くことはできません。 - 鉄筋コンクリート(RC造)
主に柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めたものです。
建物を支えるラーメン構造は間仕切り壁を抜けるので自由度は高いです。壁と床で支える壁式構造は、耐久壁の移動に制限があります。 - プレハブ
工場生産の完成された建材を現場で施工する工法です。柱や梁で建物を支える鉄骨系は間取りの自由度は高いです。
壁で建物を支える木質系やコンクリート系は間取りに制限があります。 - 鉄骨造
鉄骨の柱と梁を組み合わせて建物を支える工法です。軽量鉄骨造は建物を支える耐久壁の移動はできません。
重量鉄骨造の場合は間取りの変更の自由度は高いです。
間取りの変更の場合、構造、工法によって制限が異なるので家の工法を確認しておきましょう。
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耐震
「古い家でも地震に耐えられる?」
老朽化が気になる建物をリフォームする時は、最近頻発している地震に備えて耐震補強も考えた方が良いでしょう。
耐震補強工事についてはその方法や費用が異なるので耐震診断を受けることが大切です。
地震対策への社会的な高まりの中で、耐震補強は公的な助成金を受けることが可能となっています。
ただし耐震補強の助成金を受けるには、建物が定められた要件を満たしていること、定められた耐震性能を実現する工事をきちんと実施することなどが求められます。